有田の陶芸家・井上萬二先生が亡くなりました。奥様の久子さんに先立たれ一時元気がなかったのですが孫の祐希くんに子供(曾孫)が生まれてすっかり元気になっていました。2020年夏にご長男で陶芸家の康徳さんが62歳で亡くなると自分が長生きして祐希くんを一人前の陶芸家に育てなければと益々元気を出しておられました。祐希くんが立派な陶芸家になったと思われたのですね。ご冥福をお祈りいたします。

私が萬二先生と初めてお会いしたのは1991年でした。以来先生の窯を訪ねるのが楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。人間国宝のパーティや旭日中綬章のパーティ等々には何時も呼んで頂きました。上の写真は当館でピアニストのケビン・ケナーのコンサートを開催した時にご来館いただいたもので英語がペラペラと言う訳ではないのですが全く苦にせず積極的に交流をしていました。思えば米国ニューメキシコ州立大学でで講義をしていた位ですから当然ですよね。著書の『名陶無雑』には炎博で来日した教え子達の様子が記載されていますがその折もご宿泊いただき大変喜ばれた旨を書いていただきました。私にとっては最も敬愛する陶芸家で有田にとっては最も偉大なる陶芸家であり指導者でした。